森恒二先生が描く【自殺島】完結から2年半。
ヤングアニマルで自殺島の前日譚である【無法島】の連載が2019年3月に始まりました。
無法島とは
20××年
政府は増え続ける
凶悪犯に反比例し
国際社会において強まる
死刑廃止論を鑑み
試験的に流刑制度を復活
”死刑に相当する凶悪犯”を62名
収容する事を決定した
凶悪犯罪者隔離目的特別自治区
無法島
無法島のルール
無法島のルールはただ一つ
”この島の領海1km以上を出ない事”
自殺島でも同じルールがあり、イカダを作り脱出を試みた人たちに対し領海侵犯を警告し(IDが消滅しているので、日本国内にいる権利がないため)銃で撃った上にイカダに船で体当たりし救出も行わずに去っていたので、この無法島でも同様の対応をとると思われます。
そして、このルールを破らない限りは殺し合い全滅するのも、協力し合い生き抜くのも勝手であると、政府側の人間が告げ去っていきました。
無法島で現在わかっていること
- 1ヶ月分のマロリーメイト(カロリーメイトのブロックタイプのようなもの)が政府より支給されており、2ヶ月に1度補給されることになっている。
- 水道が使える場所がかろうじてある。
- 電気やガスは通っていない。
- 62名の死刑に相当する凶悪犯がいる。
主人公の男性
冒頭は男性の回顧シーンから始まります。
3年前
男性は街で自分のしたことを後悔していました。
オレが勝手に拗ねて
オレが勝手に反抗して
怒って・・・あたり散らし・・・
ぶち壊した・・・帰ろう
そうだ・・・俺は帰れる!!
変える場所があるんだ!!父さん 母さん マユ・・・!
甘えていたんだ
オレだけが傷つき辛いんだって謝ろう 全て
やり直すんだ!! そうさ
まだ遅くなんかない!!
男性は謝ることを決意し、家まで走って帰りました。
そこで、門が開けっ放しであることに気づき、自分が飛び出した際に閉め忘れたと思い”短気を直そう・・・”と反省しています。
しかし、自宅に入ってみると3人がいるはずの部屋の電気が消えています。
そしてよく見るとリビングのドアは開いており、廊下にマユが腹部をナイフが刺さったまま仰向けに倒れていて、その奥には父さんがうつぶせに、母さんが仰向けにそれぞれ血だらけになって倒れています。
マユは「お・・・兄・・・」「た・・・す・・・」
「何・・・で・・・?」「お・・・に・・・」と息絶える寸前です。
男性はマユに刺さったナイフを抜こうとしますが、抜くと出血してしまうと思ったのか断念し、救急車に電話をかけようと思ったところに、なぜか警察が2名自宅に踏み込んできました。
マユのナイフを抜こうとした際についた血が、男性の指や体についていて確実に男性が犯行を行ったようにしか見えず、警察は銃で威嚇しながら床に伏せるよう指示を出します。
男性は
「違う・・・違うんだ」 「これは・・・ オレは・・・」
「ちがうんだああああ!!」
男性は無実の罪で無法島に送られたようです。
無法島がさっそく無法状態に
政府側の人間が島を離れて、マロリーメイトを食べ一息ついていると女性の悲鳴が。
見ると男性が次々に女性を襲っています。
その中の一人、ロングの黒髪の女性にボーズの男性が襲いかかります。
そこに金髪の男性が石でボーズの男性の側頭部を殴り倒れます。
ボーズの男性が倒れているのを呆然と見つめる女性。女性が呆然としている隙に金髪の男性が体をまさぐり始めたところ女性が「な・・・んで」とつぶやきます。
主人公の男性はそれを見たとき、マユの姿と重なり、咄嗟に金髪の男性を殴り黒髪の女性の手を取り逃げ出しました。
逃げる最中にもう1人襲われている女性に声をかけ3人で駆け出しましたが、すぐに金髪の男性に追い付かれボコボコにされます。
主人公の男性があきらめかけたその時
黒髪の女性が木刀位の棒を見つけ、それを剣道の竹刀のように扱い金髪の男性をめった打ちに。 主人公の男性が止めに入らなければ死んでいたところでした。
一方で一緒に逃げてきたもう一人の女性も、他の男に襲われていましたが尖った木を男性の喉に突き刺して笑っていました。
そこで男性は初めて気づいてしまうのです。
今 この島で 人殺しでない人間は
僕ーーーー・・・
僕だけなんだ
無実の罪で島へとたどり着いた、一人の青年。あまりにも過酷な現実が、今動き出す。
前作の自殺島とは
自殺島は「生きる義務」を放棄した自殺常習指定者が送り込まれる島で、様々な島での体験を通し生きる希望を見つける物語です。
この前作の【自殺島】で登場する先住人と呼ばれる1人が【無法島】について語る場面がありました。
先住民によると、世の中の死刑反対の風潮が大きくなってきたが、その一方で凶悪犯罪が激増しており、刑務所に入れられない死刑相当の犯罪者を”更生プログラム”と称した島流しを行った。
政府は協力しなくては生きていけない状況を作り出し、その過程で更生するという建前でこのプログラムを実行したが、結果 協力などせずに 犯し 奪い 殺す ほとんど人が最初の冬を越せずに死に、残った人も殺しあっていなくなった。
この先住人は争いが始まって、すぐに山に逃げて一人で暮らしていたため生き残っていた。
【自殺島】ではところどころ白骨死体などが登場しますが、こちらは【無法島】の残骸と思われます。しかし、今回連載が始まった【無法島】に送り込まれた人数は62名。明らかに白骨死体のほうが少ないので今後その経過もわかると思います。
無法島1話の感想
さすが無法島 展開が早いですね。
自殺島では殺人は12話までなく、しかも喧嘩のしたあと状態が悪化しての死亡でしたが無法島では第1話からすでに殺しが始まっています。
主人公の男性は家族3人を刺した罪で無法島に送られたとみられますが、回想シーンでは家を飛び出した時点では自身に血がついてなく、とても人を刺した後とは思えません。
この主人公の事件の真相解明はこの島でされるのか?
だとすると、真犯人がこの島にいるのか?
今後の展開が楽しみです。
また、凶悪犯の中でも明らかに悪そうなジンボさん。モヒカンで顔に7つの×マークの入れ墨をしています。きっと殺した人の数なのでしょう。
この1人でも厄介そうなジンボさんにヒロキ、タカという仲間まで合流します。
この3人の今後の動向にも注目です。